クローブに続き、今回も甘い独特な香りがくせになる、魅力的なシナモンに注目していきたいと思います。
シナモンの始まりはミイラの防腐剤!?
世界最古のスパイスとも言われるシナモン。なんとミイラの防腐剤として使われたのが始まりだそうで、世界で最も古くから使われていたスパイスの1つです。
シナモンは古来たいへん貴重で、古代ギリシャではシナモンの甘美な香りから「愛をかきたてる」と、深い愛情を示す最高の贈り物として王侯貴族に重宝されていたそうです。昔から、シナモンの放つ匂いは多くの人々の心を掴んでいたのですね。
現代では、アロマオイルとして有効な働きがあると考えられており、シナモンオイルはシナモンそのものに比べて、より濃厚で甘くスパイシーな香りを持つそうです。
シナモンオイルには気分を高揚させる作用があるといわれており、元気がない時や気分が沈んでいる時などに良いとされています。
また室内を香らせることで、カビ臭を抑える抗菌作用を発揮するとされています。
これからの時期は、加湿器を使用することも多いので、シナモンオイルを併用するのもいいですね!
シナモンには沢山の種類が存在する?!
シナモンとして利用される樹木には、いくつかの種類があるそうです。
A.セイロンシナモン(スリランカ)
B.カシア(中東、アフリカ)
C.シナモン・タマラ(インド)
D.シナニッケイ(中国)
E.ニッキ
シナモンは、主なものでこの5種類があります。
一般的にシナモンと言う場合には、正しくはAのスリランカ(セイロン島)原産の『セイロンシナモン』を指していて、このシナモンは木の樹皮を使用します。
日本ではEのように、古来『ニッキ』と呼ばれてきたシナモンがあって、こちらは日本産の肉桂(ニッケイ)という木の根っこを使うそうです。
この木は樹齢が長く30年物になるので、生産量も少ないそうです。京都の土産物として定番の「八つ橋」に、このニッキが使用されています。
Bのカシアもシナモンと同じクスノキ科の常緑樹で、シナモンとは親戚筋にあたるのですが、スパイスとしてはどちらも「シナモン」として流通しています。
シナニッケイは、中国原産の常緑高木。中国南部やベトナム北部などで栽培されています。日本では薬用植物園などの温室で展示用に植栽されています。
シナモンもニッキも桂皮も、その香りの主成分はシナムアルデヒドという成分だそうです。シナモンの匂いは、甘い食べ物を連想させる香りですが、実は凄い効果があるそうで。。
それは、なんと高い防虫効果!甘い匂いからは、一見想像もつかないですね。クローブといい、シナモンといい、それらが放つ匂いに虫避けの効果がある事は共通しています。
ミイラの防腐剤として使われていたのも、このような効果があるからなのですね。
食事で取り入れることで、期待できる効能とは
実際に身体へは、口から取り入れることによって、どんな嬉しい効能があるのでしょうか。
調べると、なんとも興味深い記事がありました。それは、毛細血管の健康を守るという事です。
そして毛細血管に働きかけることで、具体的に下記のような効果を期待できます。
・毛細血管を丈夫にすることによるシミ、シワ、たるみの予防・改善
・頭部の毛細血管を丈夫にすることによる抜け毛の予防・改善
・脂肪細胞を小さくする効果によるダイエット効果
・中性脂肪、コレステロールを下げる効果
・毛細血管の血行不良改善への効果
・高血圧の改善効果
・血栓予防効果
・毛細血管の血行促進による冷え・冷え性・むくみの改善効果
・殺菌作用、解熱作用により風邪の予防や改善
これらの効能は、忙しい日々を送る現代人にとって、とても魅力的な内容です。
日常的に、適度な量を取り入れていきたいスパイスの一つですね。
日々の生活の中で、上手に取り入れていきたいシナモンですが、実は取りすぎる事によって副作用をもたらす事もあるようです。
シナモンの過剰摂取による副作用を知る
どんな食べ物もそうですが、身体にいいからといって一度に過剰に摂取するのは、逆に副作用をもたらす場合もあります。
シナモンも同様、調べていると必ずそういった副作用の事例がでてきます。
シナモンには、クマリンといわれる成分が含まれており、このクマリンを過剰摂取すると肝障害を引き起こす可能性があります。
シナモンの過剰摂取は、クマリンの副作用を起こしやすくなるだけでなく、
先に挙げた、防虫効果を発揮する匂い成分のシナムアルデヒドが胎児に悪影響をおよぼすため、
妊婦さんへのリスクとなるともいわれています。
何事も身体にいいからといって、やり過ぎになる事は逆効果をもたらすという事でしょうか。
これらの副作用を踏まえたうえで、シナモンを上手に美味しく取り入れていきたいものです。
そしてまさにスパイスカレーは、適度に美味しくシナモンを取り入れるのに適した料理なのではないでしょうか!